アタック3 「1円銀貨」




明治7年〜大正3年(明治20年より直径を38.1mmに変更)
直径・38.6mm
品位・銀90% 銅10%
量目26.96g

 1円銀貨は違うデザインで明治3年のみ、すでに発行されていたのですが、明治時代には日
本の貨幣単位の礎となった大変美しい貨幣です。

 向かって右が表面、左が裏面となります。以前アタック1で紹介した時、年号が裏面とお話し
ましたが当時は龍図が表面とされていました。海外では国王や皇帝を貨幣に彫るのが一般的
ですが日本では天皇陛下を用いる事は恐れ多いとして天皇を象徴する「龍」をモチーフとした
そうです。そんな理由から表面が「龍」となったのです。しかし明治30年頃から龍図が貨幣のモ
チーフから消え始めました。日中関係が悪化し、龍=中国だと解釈が変わってきた為です。

 明治初期は日本は金本位制を確立しようとしていましたが日本は言うまでもなく世界中との
交易が盛んだった中国が銀本位制だった為、日本も貿易の為に銀貨を流通させてきました。

 「円」という単位は香港の「ユアン」という単位を元に命名した為にローマ字表記する時に頭に
「Y」をつけて「YEN」と表記する様になったそうです。また昔から日本ではお金の事を親指と人
差し指で輪をつくる風習から発案されたとも言われております。

 銀は一般的に写真の現像やフィルム等に最も使用されています。またアクセサリー等にも用
いられます。あらゆる金属(水銀は除く)の中で最も電気抵抗が低く熱伝導率が非常に高い金
属です。その割に金に比べ化学反応を起こしやすく硫化すると黒色となります。その為か中世
のヨーロッパ貴族の食卓では毒が盛られていない事を証明する目的から食器に銀を使用した
そうです。まあそれは建前であって実際にはそれだけ豪勢な食生活を送っていたとも解釈出来
ますね。

日本国内では金も銀も掘りつくしてしまった感もありますが16〜17世紀には銀の世界全体生産
量の1/3が日本で産出していたそうです。小さな島国なのに現在でも世界トップクラスの純度の
金鉱石まで産出しますし黄金の国「シパング」も全くデタラメというわけでは有りませんね。


 銀品位について

100%→純銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのままでは柔らかすぎるので一般的にあまり使用され
ない。インゴットや一部の記念貨幣etc.

  95%→ブリタニア・・・・・・・・・・・・・・・日本では一般的な品位。欧州ではあまり使用されない。

92.5%→スターリングシルバー・・・・・世界的に最も主流の品位。主にアクセサリーに用いられ
ます。これより純度が高い(92.5%〜)と柔らかすぎるので貨幣には向きません。昔の欧州では
長い間、純銀と同じ価値として扱われてきました。東京五輪の1000円銀貨もスターリングシル
バーです。

 90%→コインシルバー・・・・・・・・・・今回紹介の1円銀貨を始め装飾品等に用いられます。


注意・中国等でこの貨幣のニセモノがかなり多く流通しています。中国からの貨幣の土
産は8割がニセモノだと思って下さい。(真面目にコインを商売にしている中国の方・・ゴ
メンなさい。)こういうプレミア貨幣は、その国の物価にあまり左右されませんので安いか
らといって騙されない様にしましょう。ニセモノは鋳型で製造する為、砂目というポツポツ
した痕がレリーフに残ります。

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